水曜日も金曜日も月曜日も、私は冬夜に会いに行かなかった。

そもそも、冬夜と会ったことがあるのは数える程度。

このまま会わない日々が続いたら、すぐにまたもとの私たちに戻るだろう。

朝の電車内で、いつまでたっても私の存在に気づかない君と、君を意識している私に。

それでいいのだ。

そもそも、私たちの関係なんて、いつ切れてもおかしくないような希薄なものだったのだから。

深まる前に、元に戻ってちょうどよかった。

胸の奥にいまだ残った痛みも、いずれ消えてなくなるだろう。

まるで、何事もなかったかのように。

どこかで誰かの人生が終わろうと、今日も変わらず日が昇りそして沈んでいく、この町の風景のように。