夜風のような君に恋をした

たしかに、彼は思わず目を奪われるほど、きれいな高校生だった。

透き通った白い肌に、サラサラの黒髪。整った横顔のライン。

身長は、百七十センチ半ばくらい。

スラリとしていて姿勢がよく、顔が小さい。

私のいる場所からははっきりと顔がわからないけど、佇まいそのものが清涼感を放っている。

まるで洗いたてのシャツみたいな人。だから誰もが、彼の存在を意識せずにはいられないのだ。

私だってそうだ。

花や景色に見惚れるように、高校に入ってからというもの、毎朝彼の存在を意識している。

別に、恋なんて大それたものじゃない。

ただ窮屈な毎日の中で、きれいな彼を意識している時間だけは、ほんの少し嫌なことを忘れていられるってだけ。