むくり、と起き上がった朝水くんは、まだ眠そう。昨日夜更かしとかしたのかな?




「……あの、寝不足とかだったら、先生も配慮してくれると思うよ。それで倒れたら元も子もないもん」

「……いや、ほんと、化学は、でないと、やばいから」

「や、やばいって?」

「……てすとが、」




てすと、test、テスト……って、ああ、




「今月末にある、期末テスト?」

「……そう」




眠たげに目をこすりながら、緩慢にうなずく朝水くん。


もうじき、みんながヒーヒー言い始める期末テストがはじまる。

わたしはもともと地頭がよかったのか、授業は一度聞けば理解できる、謂わば要領がいいタイプみたいで、あんまり焦ってなかったけど……、そっか。




「朝水くん、てっきり頭がいいから授業中も寝てるのかと思ってた」

「そんなことはだんじてないから安心して」

「安心できることではないと思うな」