見た目は確かに私と同じだけど、その表情の作り方や、聞き覚えのある喋り方は正しく彼だ。


「リュードル……?」


「それ以外に誰がいる。この体を作り出したのは我だぞ。使いこなすことなど造作もない」


「なんでそんなことしてるの?」


「ここで話すのは危険だ。一度場所を変えた方がいい」


私が理由を聞くよりも先に、後ろから呻き声と何かが倒れる音が響き後ろを振り返れば、ジルが真っ直ぐに伸びた剣を鞘に納めていた。


彼の足元には複数の魔物が横たわっていたが、そのまま形を保つことなく灰となって消えた。


「……どうやらその時間もないようだ。もう匂いを嗅ぎつけてやってきたか」


「い、今のは?!」


「陰謀を止めるぞ」


ジルの元へと向かおうとしたけれど、リュードルが私の姿を解いて元のドラゴンの姿に戻り、尻尾で器用に私のことを背中に乗せるとジル達にも声をかけ、乗るように指示を出す。


戸惑うことなくジルとフェイムは軽々とリュードルの背に乗ると、リュードルは大きく翼を広げた。