私とフェイムの二人だけのこの空間に、優しさの中にほんの少しの不安が混じった彼の声が小さく響く。


告げられる言葉達をしっかりと受け止めようと、私も背筋を伸ばした。


「前に僕がジルの家に拾われた話は覚えてる?」


立ち寄った村で一泊してジルを取り囲む女性達の視線から逃げて、貸し与えられた部屋でぼんやりと考え事をしていたあの日。


少し疲れた表情で部屋に戻ってきたフェイムと会話を交えて……彼が私の肩で寝たことを思い出してまたしても顔が熱くなる。


こんな真面目な話してる時にあの事は思い出さなくていいのに!!


頭の隅にその考えを追いやって、フェイムの話してくれた過去を思い出す。


「確か孤児で魔物達が巣食う場所で食材を手に入れようとした時に、ジルのお父さんに助けられた……のよね?」


「そう。その話には色々と付け加えなきゃいけないことがあるんだ」


一呼吸おいてフェイムは私の目を真っ直ぐに見つめてくる。