「……うん、そんなところ。金多兄さんは……何ていうか、ちょっと特殊なんだ」

 否定はしなかったけれど、詳しく話してくれる気もないのか特殊という言葉で片づけられてしまった。

 もっと追及しても良かったんだけれど、答えてくれるか分からなかったし他にも聞きたいことがあったから次の質問に移る。


「……じゃあさ、今朝の優姫さんの言葉は何? わたしにギンのものにならないでって言ってた。眞白は何か知ってるんでしょう?」

 はぐらかさないで、という意思を込めて眞白のこげ茶の目を真っ直ぐに見つめた。

「あー……それは金多兄さんに近づいてほしくない理由と関係あるんだけど……義姉さんが兄さんのものになったら優姫さんが困るというか……」

「困る?」

「うん……」

 聞き返してもそれ以上の言葉は返ってこない。


 仕方ないので、最後にこれだけははっきりさせておきたいと質問を口にする。

「……優姫さんはギンのことも知っているみたいな口ぶりだったけど……どういう関係なの?」

 今朝からずっとくすぶっていたもの。

 その一番の原因であるこの質問だけはちゃんと答えてほしかった。


 どうしてなのか、知りたい。