シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する

 わたしはうーんと考えながらサンドイッチを食べ終えると、よし! と決意した。

「決めた。ここの食事はわたしが用意するよ」

「は?」

「眞白の話だと家賃とかいらないんでしょう? 住まわせてもらうんだからそれくらいはしてもいいかなって」

 わたしの言葉に一番に喜びを表したのは岸本くんだった。


「マジ!? ってことは、毎日女の子の手料理が食える……」

 目をキラキラさせてまで喜ばれるとちょっと引くけど……まあ、嫌がられるよりはいいかな。

「てめぇははしゃぎすぎだ瑛斗」

 そんな岸本くんを拳骨付きでたしなめたのは伊刈くんだ。

「まあ、でも俺も助かるかな。食事の調達は本来俺たちの仕事じゃねぇし」

 と、わたしを見て二ッと笑う。

 目つきが悪いせいで怖く見えるのが難点だけど、中身はいい人っぽい。


 そこに三つ子が続いた。

「おおー。魔女に食べられなかった白雪姫は七人の小人のお世話をするってことか」
「だな。なぜか魔女も入ってるけど」
「7人の小人……眞白も入れていいのかこれ?」

「何で昨日からわたしを白雪姫に例えるのよあなたたちは」

 呆れて突っ込むと、それには颯介さんが答えてくれる。