「……うん、もちろんだよ。わたしはあなたにぜんぶあげるって決めた。受け止めきれるか分からないから、せめてわたしのぜんぶをあげたいって」

 だから応じる。

 拒絶なんて、絶対しない。


 シロガネのサラリとした黒髪に手を差し入れ、彼の頭を支える。

 そして誓いのような触れるだけのキスをした。


「シロガネがわたしを望む限り、求める限り、わたしはぜんぶを差し出すよ」

 わたしの誓いの言葉に、彼は嬉しそうでありながら困ったような笑みを浮かべる。


「っとに、すげぇ殺し文句だな」

 呟き、その艶美な顔が近付く。


「雪華、愛してる。俺はお前だけが欲しくて欲しくてたまらない」

「ん、わたしも愛してる。シロガネ、わたしのぜんぶを貰って?」

 互いの思いの言葉を交わし、深く、深く口づける。


 妖艶で、美しく強いわたしの魔女は、わたしだけを所望する。

 だからわたしは、あなただけに全てをあげるの。