「そんなっ!? あなたが裏切るなんて、そんなのシュミレーションにもなかったのに」
有り得ないと、驚いたような表情のまま立つキョウの足元が黒く染まっていく。
それはどんどん浸食していき、その影すらも消えていった。
キョウはもう何もしゃべらず、ただただ消えていく。
それをわたしたちはみんな無言で見届けていた。
シュバルツ・アプフェル。
そう名づけられたウイルスは、キョウという知恵の実を……黒く、黒く塗りつぶしていく。
そうして、スクリーンには何も映し出されなくなった。
静かな部屋で、チカチカと機材やPC画面の明かりだけが動く。
そんな中、颯介さんの持っていたスマホから声が放たれた。
『OK、キョウはデリートした』
『続けてさっき持ってきたデータのダウンロードを始めるよ』
『開始』
そんな三つ子の声で時が動き出したかのように部屋の中の空気が変わる。
緊張がわずかに緩み、わたしは部屋の中を見回した。
床に座り込んだまま項垂れる金多くん。
でもその手はしっかり寄り添う優姫さんの手を握っている。
眞白はずっと黙って成り行きを見守っていた。
どこかスッキリしない表情をしつつも、終わったんだなという安堵が見てとれる。
颯介さんはスマホを持ったまま三つ子からの返事を待っていた。
最後に、シロガネを見る。
有り得ないと、驚いたような表情のまま立つキョウの足元が黒く染まっていく。
それはどんどん浸食していき、その影すらも消えていった。
キョウはもう何もしゃべらず、ただただ消えていく。
それをわたしたちはみんな無言で見届けていた。
シュバルツ・アプフェル。
そう名づけられたウイルスは、キョウという知恵の実を……黒く、黒く塗りつぶしていく。
そうして、スクリーンには何も映し出されなくなった。
静かな部屋で、チカチカと機材やPC画面の明かりだけが動く。
そんな中、颯介さんの持っていたスマホから声が放たれた。
『OK、キョウはデリートした』
『続けてさっき持ってきたデータのダウンロードを始めるよ』
『開始』
そんな三つ子の声で時が動き出したかのように部屋の中の空気が変わる。
緊張がわずかに緩み、わたしは部屋の中を見回した。
床に座り込んだまま項垂れる金多くん。
でもその手はしっかり寄り添う優姫さんの手を握っている。
眞白はずっと黙って成り行きを見守っていた。
どこかスッキリしない表情をしつつも、終わったんだなという安堵が見てとれる。
颯介さんはスマホを持ったまま三つ子からの返事を待っていた。
最後に、シロガネを見る。



