4人になったわたしたちは時計塔へと一直線に走る。
暗い林はまるで悪い魔女が住む森にでも入って行くかのようにも感じた。
けれど、進む先にある時計塔にいるのは悪い魔女じゃない。
わたしの大好きな、妖艶で美しい囚われの魔女だ。
シロガネ……無事でいて。
そう願いながら、薄気味悪い時計塔の重いドアを開いた。
「はじめて入るけど、本当に薄気味悪いな」
ゴウン、ゴウンと大きな振り子の音が響く中、颯介さんが呟く。
眞白や優姫さんは一度は入った事があるのか幾分慣れた様子で足を進める。
とはいえ、薄気味悪い事に変わりはないのだけど。
わたしたちはそのまま螺旋階段を駆け足気味に上り、3階部分に繋がる階段も急いで上った。
一見何の変哲もない木製のドアに手を掛けてみるけれど、岸本くんたちが言っていたようにびくともしない。
「ちょっと代わってくれるか?」
颯介さんがそう言って木製のドアの隅々を撫でたり叩いたりしながら調べると、右下の辺りを軽く押した。
カチッと音がして開いたそこにはコードを繋ぐための差し込み口がいくつか見える。
颯介さんはそこに持って来ていたノートパソコンを繋ぐと、電源を入れながらスマホで電話をかけはじめた。
スピーカーにして床に置くと、すぐに伊刈くんが電話に出る。
『はい、どうですか?』
「やっぱり手動じゃ無理だな。PC繋いだから遠隔操作頼む」
『了解。クロ、セキ、ハク、頼む』
そうして電話の向こうからキーボードを叩く音が聞こえた。
暗い林はまるで悪い魔女が住む森にでも入って行くかのようにも感じた。
けれど、進む先にある時計塔にいるのは悪い魔女じゃない。
わたしの大好きな、妖艶で美しい囚われの魔女だ。
シロガネ……無事でいて。
そう願いながら、薄気味悪い時計塔の重いドアを開いた。
「はじめて入るけど、本当に薄気味悪いな」
ゴウン、ゴウンと大きな振り子の音が響く中、颯介さんが呟く。
眞白や優姫さんは一度は入った事があるのか幾分慣れた様子で足を進める。
とはいえ、薄気味悪い事に変わりはないのだけど。
わたしたちはそのまま螺旋階段を駆け足気味に上り、3階部分に繋がる階段も急いで上った。
一見何の変哲もない木製のドアに手を掛けてみるけれど、岸本くんたちが言っていたようにびくともしない。
「ちょっと代わってくれるか?」
颯介さんがそう言って木製のドアの隅々を撫でたり叩いたりしながら調べると、右下の辺りを軽く押した。
カチッと音がして開いたそこにはコードを繋ぐための差し込み口がいくつか見える。
颯介さんはそこに持って来ていたノートパソコンを繋ぐと、電源を入れながらスマホで電話をかけはじめた。
スピーカーにして床に置くと、すぐに伊刈くんが電話に出る。
『はい、どうですか?』
「やっぱり手動じゃ無理だな。PC繋いだから遠隔操作頼む」
『了解。クロ、セキ、ハク、頼む』
そうして電話の向こうからキーボードを叩く音が聞こえた。



