シュヴァルツ・アプフェル～黒果～魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する

　眞白は昔から１人でいるのを嫌がる。

　単純に寂しいだけなのか、もっと根深い何かがあるのかは分からないけれど。

　そんな彼を知っているから、他のみんなもダメとは言わないだろうと予測をつけてＯＫの返事をした。


「ホント？　良かったー」

　ホッとして笑う眞白の頭をよしよしと撫でてやりたい衝動に駆られる。

　実際にやったら嫌がられるからやらないけど、眞白って本当に可愛がられる弟って感じだよなぁって思った。


＊＊＊

　昼休みは、今週から一緒にお弁当を食べるようになったみんなと他愛もないお喋りをしながら昼食をとる。

　今日も授業の話や趣味の話など話題が巡る。

　そんな中、1人がスマホのメッセージに気づいて画面を見た。


「あっ！　雪華ちゃん、優姫が連絡先教えて良いって！」

　前日に電話で聞いてみると言ったものの、何かを迷っているのかはぐらかされてしまったと朝聞かされたばかりだ。

　でも良かった。

　とりあえずこれでわたしも優姫さんの様子を聞くことができそう。


　早速教えてもらってメッセージを送る。

《連絡先教えてもらったよ。ありがとう》

　とまずはお礼を伝えて、その後は少し迷いつつ簡単に様子を聞いてみた。