シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する

「っ~! 受け止める覚悟が必要なのっ!」

 言い切って、はぁー……と息を吐く。

「しないときでもいっぱいいっぱいだけど、するときのシロガネはホントカッコイイし綺麗だし妖しいしでただでさえ心臓爆発しそうになるし……」

「……」

「そんな状態で受け止めきれないのは分かってるけど、やっぱり出来る限り受け止めたいし応えたい」

「……」

「なのにシロガネ、たまにちょっと本気で求めてくるでしょ? ちゃんと覚悟決めておかないと途中で気絶してしまいそうで……」

「……」

「えっと、シロガネ?」


 言えと言われたから言いづらくても話したのに、彼は真顔で黙り込んでいた。

 変なこと言ってしまったかな? と不安になる。

 でも言わせたのはシロガネだし……。


 なんて考えていると、「っはあぁぁぁーーー」と大きなため息をつかれた。


「シロガネ?」

「雪華、お前俺を殺す気か?」

「へ?」

「何でそんな可愛いこと言うんだよ。俺はお前にカッコイイって言われるだけでも嬉しいんだぞ?」

「え? そうだったの?」

「しかも俺の本気を受け止めきれないとか言っておきながら出来る限り受け止めたいとか……。もー胸がいっぱいいっぱい」

 そう言ったシロガネの頬が少し赤い気がして、もしかして照れてるのかな? なんて思う。