シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する

「……俺と付き合ってたってことにすれば、金多が優姫を欲しがるからだろう。金多は、昔から俺のものを欲しがったからな」

「……」

 予測した通りの答えに、何とも言えなくなる。


 金多くんは、それがおかしいことだと思わないんだろうか?

 優姫さんは、そんな風に付き合って本当にいいと思ってるんだろうか?


 それは本人たちにしか分からないけれど……歪んでる、と思う。


「金多はな、母さんに愛されたくて必死だった」

 ギンは前方の一点を睨みつけるように見つめて語る。

 金多くんは幼いころからかなりのお母さんっ子で、いつも相手をしていた義父さんはかなり手を焼いていたらしい。


 でも、母親である桔梗さんは家族をかえりみず仕事一筋の人。

 ギンのことだけは自分に似ていて可愛いと思ってた上に、跡取り息子ということもあって色々と構ってたんだとか。

 そんな光景を一番近くで見ていた金多くんは、不満を覚えるに決まっていた。


「俺が母さんから貰ったオモチャをくれって泣き喚いたのが最初だった」

 ギンは、そこまで欲しいオモチャだったわけでもないのですぐに金多くんにあげたんだとか。

 でも、そうすることで金多くんは間接的に母親の愛情をもらえたような気分になったらしい。