人見知りかと言えばそうではない。通りすがりの人に道を尋ねたり、修也と食事に出掛ければ店主と談笑を交えたりも出来る。

 見知らぬ相手に出来ることが、見知った関係性になると途端に拒否反応が出てしまう。なぜこうなのか。それを冷静に自己分析したこともあった。

 人からの評価を気にし過ぎる。
 悪く思われたくない。
 生真面目な人に多い。
 思い込みが激しい。

”人間関係に疲れる 人付き合いがストレスーーー”
 こんなワードでネット検索すると思い当たる点が幾つもヒットした。

 的確さは残酷だった。「人間関係を構築出来ない典型的なダメ人間。それはお前だ」と見えない誰かに指をさされ、嘲笑されているかのような気持ちになった。調べれば調べるほどに酷く落ち込んだ。

 わかってるよ、そんなこと。
 だったらどうしたらいいのか。
 

 その解決方法は、自己評価を高く持つこと、受け身にならず自ら動いてみる、といったようにそれが出来れば苦労しない、と吐き捨てたくなるような綺麗事ばかりだった。