ベランダ思った以上に心地よく、そう呟いて一旦部屋へ戻り、布団を引きずるようにしてベランダへ出た。


「気持ちいい~」


小春日和に目を細める。


布団と一緒に干されたら、私もフカフカになるかなぁ?


なんて考えて、しばらくその場から動けなくなる。


ボーッと低いベランダから隣の家の屋根を眺めていたとき、不意に後ろから声がした。


「ルイ、レイ、散歩でも行こうか」


お姉ちゃんのその声に、一瞬ドキッとして、振り返る。


お姉ちゃんは光の缶詰を持ち、部屋から出てきたところだった。


「どっか、行くの?」


思わず、声をかける。


嬉しそうな清美お姉ちゃんが、どうしても気になって。


「うん。ちょっと3人で散歩」


「でも……その2人、我侭だって言ってなかった?」


私は、困った顔のお姉ちゃんを思い出す。


あの時は、ルイもレイも何から何まで質問攻めをして、納得するまで解放してくれない印象を持った。


「それならもう改善されたわよ」


「え? そんなに早く?」