「え、青っちって勉強得意なの?」


転校してきてまだ一月と数週間。


青っちの学力がどれくらいのものなのか、舞たちは知らなかった。


「こう見えても前の学校では学年5位以内は確実に取れてたぞ」


「嘘!?」


予想外の学力に舞たちは一様に目を丸くした。


トレーニングばかりしている青っちが頭がいいという概念がなかった。


「なんだよお前ら、俺のことバカだと思ってたのか?」


青っちが面々を睨みつけて言う。


「いや、そうじゃないけど、意外だなって思って」


英介が慌てて取り繕う。


考えてみればここにいるメンバーはみんな青っちのおかげて繋がって、ここまで仲良くなったのだ。


頭がいいからこそできたことかもしれないと、改めて感じた。


「じゃあ、お言葉に甘えて勉強しに来ようかな?」


「あぁ。舞なら大歓迎だ」


「えぇ~、舞だけずるぅい!」


愛がふてくされた様にそう言い、病室には笑い声に満ちたのだった。