「なんか付き合った頃から耕平って変だったよね」

「そうかな」

「耕平は覚えてないかもだけど、私のこと好きって言うわりに、俺よりいい男出てくるかもとか、あいぼんには幸せになって欲しいって言うくせに、耕平が幸せにするとは言ってくれなかったり。それに」

 これは逆ギレなのかな。
自分が理不尽なキレっぷりをしている自覚がなかったわけじゃないけれど、何故だか堰を切ったように、今までの鬱憤が口から溢れ出していた。

「なんでいつまでもデリの送迎やってんの!? 昼間の仕事が見つかるまでって言ってたじゃん。なのに全然他の仕事探してるように見えないし、社長だか何だか知らないけど頻繁に飲みに連れて行かれたり、デリ嬢をキャバに紹介するとか斡旋業みたいなこともしてるし。何の仕事してんのか謎なんだけど。それに何で私とエッチしないの? なんかこういう言葉、女に言わせるのってひどくないっ?」

 言いながらどうしようもなく泣けてきて、私はボロボロと涙を流しながら、ヒステリーを起こしていた。一度キレてしまえば歯止めがかからなくなって、床に転がっていたクッションを引っ掴んで耕平に投げつけたりもした。