「クラスで一番可愛い男子はマサシ」


ノリコに指をそう言われ、マサシは泣きそうになってしまった。


クラスの生徒達にはそれぞれ役割があって、それでも自分は何者にもなれていないと思っていた。


でも違うんだ。


持って生まれたままの自分の中にもなにか特別なものは隠されている。


それに気がつけるかどうかで未来は大きく変わってくるんだ。


「チナ、俺に勉強を教えてよ。それからタカヒロ、サッカーの練習見に行ってもいいか? あとノリコ、次のクラス会なんだけど、俺やりたいことがあるんだ。それにヒデアキ、俺に似合ってる服を教えてよ」


4人は顔を見合わせて微笑みあう。


そして「もちろん!」と、声をあわせて頷いたのだった。