え？　でもなんて？

　第一に、あたし別に颯くんのこと異性として好きなわけじゃないんだけれど……？


「え？　えっと……」

　答えようとしながら考えるけれど、なんて言うべきなのか……。


「月見里さん……」

　うるうるとうったえかけてくる椎菜さんの視線を受けて、もう普通に言ってしまった方がいいんじゃないかと思った。

　だから……。


「えっと……どうやって断ればいいと思いますか？」

　なんて、逆に聞き返していた。

　だって、断りたくてもまず話をするタイミングが合わない。

　そこをどうすればいいのかって最近すごく悩んでいたことだったから。


「は、はぁ⁉　あなたあたしたちのこと舐めてるの⁉」
「そんなの颯くんに直接言えばいいことでしょ⁉」

「言えたら苦労しません‼」

　簡単に言ってしまう椎菜さんの友人たちにあたしは声を荒げる。


「呼び出そうとすると周りが逆告白？　とか言ってはやし立てるし！　かといって見かけたときにと思ったらなかなか話せる状態のときに会えないし！」

「え？　まさか本当に……？」
「本当に断ろうとしてたの……？」

　戸惑いを見せる二人にあたしは大きくうなずいた。