「はあぁぁ……」

 夜、自分のベッドに突っ伏し昼間のことを思い出した。


 俺の部屋で、俺のベッドの上に座って。

 そんな状態で、俺に抱かれるとなったら心臓が持ちそうにないなんて口にして……。


 俺を拒絶するどころか受け入れるのが当然だと思っているような言葉に、嬉しくてこのまま俺だけのものにしたくなった。

 ……そのまま、押し倒してやろうかと思った。


 まあ、何とか息を吐くことで耐えたけど。


 耐えられたから、練習しようかと提案してみた。

 とりあえず抱き締めるだけならいつもしてるし大丈夫だろうと思って。


 何が大丈夫だよ。

 全っ然大丈夫じゃないだろ!?


 思わず自分で自分にツッコミを入れる。


 練習だからと美夜を抱きしめて……今朝だってベッドの上で抱きしめたはずなのに、状況が変わるだけであんなにドキドキするとは思わなかった。

 それでも思わずキスをしてしまったところまではまだいつも通りと言えばいつも通り。

 でもその後、俺の部屋でキスするのってそういえばはじめてじゃねぇか? と思った後からヤバかった。


 思った途端、鼓動が早まって体が熱くなってきた。

 頭がフワフワしてしまうくらいその熱に浮かされて……。

 同じくらい、欲情した。