陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく

「美夜……」

 あたしの顔をよく見ようと、陽呂くんの顔が近づく。

 きっと陽呂くんの目には、どうしようもなく緊張したあたしが映ってるに違いない。


 変な顔してるんじゃないかな?って思うのに、陽呂くんは「可愛い」と言って笑みを向けてくる。

「陽呂、くんっ」

 ドキドキと鳴りやまない心音が、あたしの息を詰まらせる。


「美夜……美夜に、俺のぜんぶあげるからさ……俺も美夜のぜんぶ、もらっていいか?」

 陽呂くんも緊張しているのか、少し硬い声でそう聞いてくる。


 覚悟は出来てる。

 ただ、恥ずかしいのと、初めてのことに緊張しているだけ。


「……うん。あたしも……陽呂くんのぜんぶが、欲しい」

 恥ずかしいけど、触れ合いたくて……。

 勇気を出してそう口にした。


「美夜……うん。俺も、美夜が欲しい」

 互いが互いに欲する言葉を交わして、どちらともなく唇が触れる。

 すぐに深くなるキスは、お互いの熱を分け合っているかの様だった。


「んっはっ……陽呂くん……」

「ん……美夜……」

 熱を交わしながら、陽呂くんはあたしをベッドに寝かせる。

 そのままシーツに手をついて少し離れた彼は、甘ったるい眼差しであたしを見下ろした。