「卓球シングル1学年優勝、渡瀬陽呂」
呼ばれた陽呂くんは試合で気力も体力も使い果たしたかのようにのそのそと先生の前へ向かう。
流石にフードはかぶっていないけれど、パーカーも羽織っていた。
簡単なお祝いの言葉を掛けられ賞状をもらうと、すぐにあたしに気づいて近寄ってきてくれる。
パチパチと拍手が鳴りやむころ、丁度あたしの真ん前に来た陽呂くん。
「ほら、美夜」
そう声をかけて花穂に背中を押され、数歩彼に近づいた。
あたしは陽呂くんを見上げ、まだ言っていなかった言葉を贈る。
「陽呂くん、優勝おめでとう!」
「っ……美夜……」
ふわりと優しく笑った陽呂くんは、分厚い眼鏡を取って汗で濡れきった前髪をかき上げた。
途端、周囲から息を呑む音や歓声のような声が上がる。
「陽呂くん?」
あたしはどうして? と驚くばかり。
外見目当てに他人に近寄られたくないからって、素顔をさらさない様にしてたんじゃなかったっけ?
確か、中学のとき一度聞いたらそう答えていたはずだ。
なのに、こんなほかの生徒がたくさんいる中でさらしてしまっても良いんだろうか?
分からなくて、ただただ驚く。
そんなあたしを陽呂くんは真っ直ぐ見下ろした。
呼ばれた陽呂くんは試合で気力も体力も使い果たしたかのようにのそのそと先生の前へ向かう。
流石にフードはかぶっていないけれど、パーカーも羽織っていた。
簡単なお祝いの言葉を掛けられ賞状をもらうと、すぐにあたしに気づいて近寄ってきてくれる。
パチパチと拍手が鳴りやむころ、丁度あたしの真ん前に来た陽呂くん。
「ほら、美夜」
そう声をかけて花穂に背中を押され、数歩彼に近づいた。
あたしは陽呂くんを見上げ、まだ言っていなかった言葉を贈る。
「陽呂くん、優勝おめでとう!」
「っ……美夜……」
ふわりと優しく笑った陽呂くんは、分厚い眼鏡を取って汗で濡れきった前髪をかき上げた。
途端、周囲から息を呑む音や歓声のような声が上がる。
「陽呂くん?」
あたしはどうして? と驚くばかり。
外見目当てに他人に近寄られたくないからって、素顔をさらさない様にしてたんじゃなかったっけ?
確か、中学のとき一度聞いたらそう答えていたはずだ。
なのに、こんなほかの生徒がたくさんいる中でさらしてしまっても良いんだろうか?
分からなくて、ただただ驚く。
そんなあたしを陽呂くんは真っ直ぐ見下ろした。



