陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく

 だから、俺は優しいキスをする。

 美夜の熱を逃がすため。


 俺の熱も逃がすために……。


***


 翌日からは、美夜との練習は止めにした。

「え⁉︎ 良いの? というか、大丈夫なの?」

 昨日のことがあるせいか、流石の美夜も今日は恥ずかしがって俺とあまり顔を合わせない様にしていたみたいだ。

 でも、今日からの練習は付き合わなくていいからと伝えた瞬間真っ直ぐ俺を見る。


「っ!」

 まあ、次の瞬間には顔を真っ赤にして少し逸らされたけど。


「ああ……心配しなくてもちゃんと練習はするから。……それに、美夜の方の卓球練習出来てないだろ?」

 あまり突っ込まれたくなくてそう付け加えた。


「でも……」

 と、それでも心配そうな表情の美夜だったけど近くで話を聞いていたらしい宮根が割り込んでくる。

「そうだよ! あたしたち授業中しか練習出来てないじゃん。せめて一回くらいはちゃんと練習しとこうよ」

 俺のフォローに回ったわけじゃないだろうが、美夜に抱きつきながらそう言っていた。


「あ、でもどっちにしろ今日は卓球台使えないんだった」

 卓球部が使うから、と思い出した美夜が呟く。

 すると宮根が嬉しそうに提案した。