あたしそこまで強くないしなぁ……。

 どうしようかと思ったけれど、今は解決策も見当たらずとりあえずあたしとラリー出来るように持久力をつける練習をした。


 そうして他の人達も帰り始め、あたし達も終わろうかと片づけをしているとき――。


「ねえ、月見里 美夜ってアンタ?」

 知らない女子生徒の集団に声をかけられた。

 上履きのラインの色から見て三年生だ。


「あ、はい。……そうですけど……」

 声を掛けられた理由も分からず、とりあえず返事をする。


 でも、睨むような彼女たちの様子にいい予感はしない。

 なんていうか……ガラが悪そうっていうか、怖い。


「ふーん、男二人に取り合われてるっつーからどんな子かと思ったらふつーじゃん?」

「ホント、っつーかむしろ鈍そう」

「それな!」

 と、突然ディスられてしまった。


 そんな彼女たちの会話を聞きつつ誰だろうと思っていると、ふと思い出す。

 そういえばあたし、ガラの悪いお姉さま方にもよく思われていないと聞いた。

 その人達かな?


「あーマジウケる。……まあ、あたし達がなに言いに来たかっていうと、『いい気になるんじゃねーぞ』って釘差しに来たんだよね」

「え? 別にいい気なんて……」