情けない。

 情けなさ過ぎる。


 穴があったら入りたいとはまさにこのこと。


 卓球の練習をしなくてはならないとは思っていても、まずどうやって道具を借りるか、場所はどこを使えるのか。

 それが分からなかった。


 分かっていたら流石にもう少し早く練習をしていたんだけど……。

 球技大会の競技を選ぶ前に先生が説明していたな、という記憶しかない。


 あのときはまさかこんな状況になるとは思っていなかったから……。

 でもそれは言い訳でしかないし、どうしようかと思っていたら美夜が声をかけて一緒に練習してくれた。

 嬉しかったしホッとしたけど、情けないなぁと思う。


 しかもあれだけキッパリ守るって言ったのに力のコントロール出来てないとか。

 普通に抑えまくった状態だと一回戦ですら勝てるわけがないし、吸血鬼としての俊敏さや力を使うしかない。

 でもどっちも本気でやれば人間離れしてるのは明白だし、半分の力でも怪力の部類に入りそうだ。


 いや、多少は練習しなきゃなとは思っていたけど……まさかコントロールがあれだけ難しいとか……。


 でも、金曜日になる頃には力加減のコントロールは出来るようになっていたし、あと一週間練習すれば大丈夫なんじゃないかな?

 と思う程度には自信もついた。