陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく

 でも答えたのは椎菜ちゃんだ。

「渡瀬くんが球技大会で勝って、ちゃんと告白してもらって、堂々と彼氏彼女になるしかないでしょ」

「彼氏彼女……」

 呟いて、何か照れた。


 もういつそういう関係になってもおかしくない状態だってのは分かっているんだけど、改めて他の人に言われると気恥ずかしいものがあった。

 でもそんなあたしを気にかけることなく二人は話を進める。


「そのために今やらなきゃいけないことといえば?」
「渡瀬くんが卓球練習して頑張るしか無いでしょ」

「……確かに」

 二人の言葉に頷く。


 陽呂くんは吸血鬼だから瞬発力も実は良いし、体力だって本当は結構ある。

 でも卓球って案外繊細なコントロールが必要そうだし、陽呂くんがどれだけできるのかがまず分からない。


 何とかするとは言ってたけど、練習してる様子もないしなー……。

 そこん所どうなんだろう?


「だから、今日の放課後にでも練習付き合ってあげたら? で、どんな卑怯な手を使ってでも勝つ様に鍛えるの!」

 拳を握って語る椎菜ちゃんに花穂も同調する。

「そうそう。普通にやったって勝てそうに無いんだから、手段選ばずだよ!」

 熱く語るけれど、その内容は正々堂々とはかけ離れている。