「ということなので、告白はやっぱりできません。なので相談に乗って?」

 翌日早速「告白出来た⁉」と聞きに来た椎菜さんと、同じことを聞きたそうにしている花穂にそう答えた。


「……」
「……」

 ジト目と無言。

 二人から返ってきたのは全く同じ反応。

 無言なのに息が合ってるって、なんかすごいね。


「……はて、椎菜さん。あたしは告白しろ、話はそれからだと言った記憶があるのですが……?」

「そうですねぇ花穂さん。あたしもそれを聞きながら頷いていた記憶がありますよ?」

 何かの解説のように話し出す二人に、あたしは戸惑いつつも黙って返事を待っていた。


「それがなんですか? 陰ヒロが自分から言いたいから待ってと言うから告白出来ない?」

「そうですね、あたしもそう聞こえました。――だったら今告れよ、と言いたいですね」

 二人で頷きあって、同時にこちらを見た。


『ホントにそれで良いの?』

 声までピッタリそろうからビックリだ。

 目をパチパチさせてから何とか「うん」と返事をする。


「そっか……」
「じゃあ仕方ないのかな……」

 そのまま攻め立てられそうな雰囲気もあったけれど、予想に反して二人はアッサリ引き下がってくれた。