吸血した後の、熱を落ち着かせるためにしたキスも……恥ずかしがってはいたけれど受け入れてくれた。

 そこからはもう溺れるしかないだろう?


 俺の言いなりになってるとかじゃなくて、ちゃんと自分の意志で俺を受け入れてくれてる。

 俺はそんな美夜につい甘えてしまう。

 甘えて、溺れて……俺だけの美夜にしたくなるんだ。


 好きの二文字じゃ足りない。

 愛してると言うには、優しくない重い気持ち。

 そんな俺でも受け入れてくれるから……だから甘えてしまう……溺れてしまう……。



 ……でも、だからこそ誰にも渡さない。

 成田にだって勝ってみせるし、月原さんにだって――。


 ……月原さん、あの人は何を考えてるんだろうか。


 美夜を狙っているのは確実だ。

 最初の直感もそうだったけど、今日観察してみて確信した。


 月原さんは合間を見ては美夜のことをジッと見ていたから。


 ……ただ、その目に宿る感情が読み取れない。

 何かを期待しているような……でも諦めているような……。


「……いや、関係ないか」

 呟いて心を決める。


 どんな目的があったとしても、美夜を守ることに変わりはない。

 ちゃんと約束もしたからな……。


 少し前まで腕の中に閉じ込めていた温もりを思い出す。


 美夜……。

 どうしようもなく、お前が欲しいよ……。