『陽呂くんは休みの日何してるの?』

『……まあ、ゲームとか?』

『前の学校の友達とか連絡したりしないの?』

『べつに、友達とかいないし』

『え? 1人も?』

 次から次へと来る質問に少しウンザリしていたんだ。

 ただでさえ人と話す事は得意じゃないのに、美夜は素っ気ない返事をしても色々問いかけてくる。


 だから、これ以上話しかけてこない様に強めの口調で言ったんだ。

『そうだよ。俺なんかと友達になりたいと思うやついるわけないだろ? 今も友達作ろうとしてないんだ。それくらい分かれよ』

 自分でも久々に長文を口にしたと思う。

 でも、これくらい言えば美夜も口をつぐむだろう。


 ……そう、思ってたのに。

『あ、ごめん……友達作れなかったんじゃなくてまず作ろうとしてなかったんだね……』

 まずそこに気づいていなかったらしい。

 シュンとする美夜がちょっとかわいそうになったけど、分かってもらえたならもう構ってこないだろうと思って何も言わなかった。


 そうして黙っていると、美夜が続けて口を開く。

『でも、“俺なんか”なんて言わないで』

『え?』

『少なくともあたしは陽呂くんと友達になりたいと思ってるよ?』

『っ!』

 そう言って見上げてきた美夜が、すごく可愛く見えて……。


 ドクンと、心臓が大きく鳴った。