甘えるような声が耳に届き、ゾクリと体の芯の部分が震える感じがする。

 そのまま額にキスが落とされ、チュッとリップ音を立てて離れた。

「あ、の……陽呂くん……その、下にはおばさん達が……」

「ん、分かってる……だからやり過ぎない様にするから……」

 と、今度は目じりに唇が触れ、軽く()むように下に降りてくる。


「で、でも――んっ」

 陽呂くんの手があたしの顎を持ち上げて、最後に唇が食べられた。

 上唇をハムッとされて、次は下唇。

 軽くペロッと舐められたら、塞ぐキスで声を閉ざされる。

「んぅっ……」


「はぁ……」

 離れて、熱い吐息が絡み合うともうあたしはとろけてしまって……。

 力が入らなくなってきた体が陽呂くんの腕の中に納まる。


 カタッと陽呂くんが眼鏡を取ってテーブルに置き、邪魔なものが無くなった茶色の目があたしを捕らえるように映す。

 グッと近くなった顔に、どうしようもなくドキドキと鼓動を速めた。


 どんな形であれ、やっぱり陽呂くんに触れられるのが好きで……。

 だから多分、最後までしてしまってもずっと触れ合っていたいって思っちゃうんだろうなって、また唇を食べられながら思った。