「はぁ、やっと終わった……。今日の宿題多すぎるよ」

 やっと全部の宿題を終えて力尽きたあたしは、ローテーブルの上に突っ伏した。

「まあ、ほぼ全部の授業で宿題出てたからな」

 ものによっては絶対に今日やらなくても良いのもあったけれど、あたしは出来るときにやっておきたい方だから出来れば今日中に全部やってしまいたかった。


 でも陽呂くんは違うよね?


「ごめんね陽呂くん。あたしに付き合わせちゃって」

 顔だけあげて謝ると、フッと笑われた。


「別に? 俺もやってしまえるならその方が後で楽だし」

 だから良いんだ、と頭を撫でられる。

 その手が大きくて、男らしいものになってきてるなぁと思うとちょっとドキドキしてきた。


 でも、やめて欲しいとは思わなくてそのままでいると、陽呂くんがあたしの髪をひと房すくい上げる。

 ん? と思ってる間にその髪に自然と口づけが落とされた。


「っ⁉ 陽呂、くん?」

「……でも、付き合ったお礼をしてくれるって言うなら――」

 一気に、陽呂くんの眼差しに妖しさが宿る。

 熱のこもった吐息が髪に触れ、その温かさを感じたような気がした。

「美夜を……ちょーだい」