今のこの家に引っ越してきたのは、そんな頃だと言う。
「でも、ここに引っ越して来て良かったわ。お隣さんに美夜ちゃんがいたから」
「へ? あたしですか?」
「そうよ。何もかも美夜ちゃんのおかげ」
いつものあったかい笑顔でそんなことを言われるものだから、あたしは戸惑いつつも照れてしまう。
あたしそこまで言われるようなこと何かしたっけ?
「陽呂が美夜ちゃんに咬みついたって聞いたときはこの世の終わりってくらいショックだったけれど……でも、目が覚めた美夜ちゃんは陽呂のこと怖がったりしなかったでしょう?」
「まあ、陽呂くんは悪意があって咬んだわけじゃなかったですし……」
確か安藤さんの考察では、次に血液接種する日が近かったのと、陽呂くんにとっての“唯一”――つまりあたしが近くにいたせいで吸血鬼としての本能が抑えられなくなったんじゃないかってことだったはずだ。
「だとしても、普通は怖がったり気持ち悪がったりするものよ。……でも、美夜ちゃんは怖がるどころか陽呂に『大丈夫?』って心配そうに聞くんだもの」
「それは……」
大丈夫だよって言ったのに気を失っちゃって、陽呂くんが気にしちゃってたら良くないなぁと思って……。
「でも、ここに引っ越して来て良かったわ。お隣さんに美夜ちゃんがいたから」
「へ? あたしですか?」
「そうよ。何もかも美夜ちゃんのおかげ」
いつものあったかい笑顔でそんなことを言われるものだから、あたしは戸惑いつつも照れてしまう。
あたしそこまで言われるようなこと何かしたっけ?
「陽呂が美夜ちゃんに咬みついたって聞いたときはこの世の終わりってくらいショックだったけれど……でも、目が覚めた美夜ちゃんは陽呂のこと怖がったりしなかったでしょう?」
「まあ、陽呂くんは悪意があって咬んだわけじゃなかったですし……」
確か安藤さんの考察では、次に血液接種する日が近かったのと、陽呂くんにとっての“唯一”――つまりあたしが近くにいたせいで吸血鬼としての本能が抑えられなくなったんじゃないかってことだったはずだ。
「だとしても、普通は怖がったり気持ち悪がったりするものよ。……でも、美夜ちゃんは怖がるどころか陽呂に『大丈夫?』って心配そうに聞くんだもの」
「それは……」
大丈夫だよって言ったのに気を失っちゃって、陽呂くんが気にしちゃってたら良くないなぁと思って……。



