よく、《つきみざと》と苗字を間違われやすいあたし。
珍しい苗字だと言われて、なんで《やまなし》って読むんだ? と聞かれるところまでがセットだ。
あんまりも聞かれるから、それくらい自分で調べてよ! って思うことも多々あった。
そんな中で、去年お隣に引っ越してきた陽呂くんはあたしに聞く前に自分で調べてくれていた。
陰キャで、話すより調べた方が良かったってだけかもしれないけれど。
でも、帰りが一緒になったある日自分の苗字が嫌いだと言ったあたしに、陽呂くんは珍しく饒舌に話してくれたんだ。
「山が無くて月が良く見えるって意味だろ? そこに美しい夜ってつく名前。綺麗じゃんか」
って、綺麗とまで言ってくれた人はいなかったから思わずドキッとしたのを今でも覚えてる。
まだ陽呂くんが吸血鬼だと知る前のこと。
そんな風に言ってくれた人は初めてだったから、それから陽呂くんのことを気にするようになった。
そしてとある休日、たまたま外に出たときに具合の悪そうな陽呂くんを見つけて介抱しようとしたら血を吸われたんだ。
痛みとか、よく分からない熱とか、色々と衝撃だったけれど……。
血を飲んだ後、陽呂くんが捨てられた子犬のような目であたしを見ているのに気づいて、胸がギュッと痛くなった。
珍しい苗字だと言われて、なんで《やまなし》って読むんだ? と聞かれるところまでがセットだ。
あんまりも聞かれるから、それくらい自分で調べてよ! って思うことも多々あった。
そんな中で、去年お隣に引っ越してきた陽呂くんはあたしに聞く前に自分で調べてくれていた。
陰キャで、話すより調べた方が良かったってだけかもしれないけれど。
でも、帰りが一緒になったある日自分の苗字が嫌いだと言ったあたしに、陽呂くんは珍しく饒舌に話してくれたんだ。
「山が無くて月が良く見えるって意味だろ? そこに美しい夜ってつく名前。綺麗じゃんか」
って、綺麗とまで言ってくれた人はいなかったから思わずドキッとしたのを今でも覚えてる。
まだ陽呂くんが吸血鬼だと知る前のこと。
そんな風に言ってくれた人は初めてだったから、それから陽呂くんのことを気にするようになった。
そしてとある休日、たまたま外に出たときに具合の悪そうな陽呂くんを見つけて介抱しようとしたら血を吸われたんだ。
痛みとか、よく分からない熱とか、色々と衝撃だったけれど……。
血を飲んだ後、陽呂くんが捨てられた子犬のような目であたしを見ているのに気づいて、胸がギュッと痛くなった。



