甘い毒に溺れ堕ちて

余計な口を叩くんじゃない。そう言わんばかりに母の目つきがキッと鋭くなった。


……5000円か。はははっ。薄々感じてはいたけど、まさかここまで大差つけられてたとは。


ねぇ、お母さん。私のことが気に食わないのはわかるよ。

けど、あなたが愛する人との間にできた子どもだよ?

あなたが愛している人の大切な娘でもあるんだよ?


いくら望んだ子じゃないからって、どうしてこんな……っ。



千花子(ちかこ)……っ」

「あやまって」



怒りに震える父の声を遮ったのは晴月だった。



「なんでおねえちゃんにいじわるするの? なんでうそつくの?」

「いや、別に嘘ついてたわけじゃ……」

「だったら、おこづかいすくなくしてごめんなさいって、あやまって!」



充血したつぶらな瞳から、大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちる。

一方晴日も、泣いてはいないものの、目を真っ赤に腫らしていて……。



「おかあさんは、おねえちゃんがきらいなの? だからいじわるするの?」