甘い毒に溺れ堕ちて

シャツをパタパタさせながら入ってきた父。

説明会の付き添いも兼ねて、午前中で切り上げてきたのだそう。



「ところで、みんな勢ぞろいでどうしたの」

「「おとーさんっ!」」



ソファーに荷物を下ろす父に、晴日と晴月が突進する勢いで駆け寄った。



「たすけて! おねえちゃんがたいへんなんだよ!」

「へ? 大変?」

「おねえちゃん、おかねにこまってるの! それで、せんせいじゃなくてしゅーしょくになるっていってるの!」

「しゅー、しょく……?」



頭上にはてなマークを浮かべ、オウム返しを繰り返している。


2度目のかくかくしかじか。

全員でローテーブルを囲み、先ほど伏せた話を含め、これまでの経緯について説明した。



「やっぱり、無理だよね。4人もいるんじゃあ……」

「そんなこと……!」