甘い毒に溺れ堕ちて

なんともイラストレーターらしい回答。


一家全員揃うのは、まだまだ先だろうとのこと。

だけど、先日、家族全員のグループチャットが作られたそうで。

「おはよう」「おやすみ」はもちろん、写真を送り合ったり、学校での出来事を報告したりと、毎日賑わいを見せているらしい。


親子一緒に爆笑する姿を想像して、微笑ましい気持ちになる。



「面談でも、2学期からは黒髪に戻りますって伝えるつもり」

「染め直すのは砥上さんのところで?」

「うん。昨日、報告も兼ねて予約した。彼方さんと徹平さんにも話したら、金髪お別れ会を開いてくれることになって! 来月、お魚の美味しいお店に連れて行ってもらうことになったんだ〜♪」



語尾を弾ませる彼。頭の中では様々な魚料理がぐるぐると駆け巡っているのだろう。


ほの暗かった瞳の奥には、もう誰も潜んでいない。

明るく、清々しく、希望に満ちあふれていて。


あぁ、再出発できたんだな。

彼が彼として──成見 藍としての人生を取り戻せんだな。


そう心から思えるくらい、青空のように晴れやかな表情を浮かべていた。