甘い毒に溺れ堕ちて

カマをかけてみたら。思い出を捏造しようとしていただと……!?


ジト目で圧をかけると、「本当だってば」と証明するようにスマホを見せてきた。


ホーム画面は夕日、待ち受け画面はお花。

直近に撮った写真も、夏目くんとのツーショットとおばあさんとのツーショットで、ひとまず胸を撫で下ろした。



「さ、誤解も解けたことだし、食べよ食べよ!」



藍くんはパンパンッと手を叩いて仕切り直すと、いそいそとビニール袋から食用ナイフを取り出した。

4等分のうちの1つを小皿にもらい、使い捨てフォークで一口大に切って口に運ぶ。



「お味はどうですか?」

「美味しい……! めちゃくちゃ美味しいよ!」

「ほんと? 気を遣ってるんじゃなくて?」

「じゃなくて! 本心!」



フォークを持ったまま口元を覆い、強調するようにもう片方の手でグッドマークを作る。


甘さは市販の物よりも控えめ。

だけど、スポンジ特有のふんわりした食感にマッチしていて。

例えるなら、心がほぐれるような優しい味。