甘い毒に溺れ堕ちて

再現する彼にうんうんと何度も頷いて、共感を示す。


犬のように愛嬌を振りまく時もあれば、猫みたいにマイペースで自由気ままな一面もある。


彼が人を惹きつけてやまないのは、愛玩動物に似た魅力を持っているからなのも理由の1つと考えられるけど、全ての土台──育った環境も無視はできない。


自分は自分でいていいんだ。

大切にされる人間なんだ。

愛される価値があるんだ。


そう心から確信を持って思えるのは、自身の存在を肯定してくれる人がいるからこそ。


もし土台が不安定だったら、何回も自分からデートに誘うなんて、多分できないと思う。



「こないだみんなで遊びに行った時も、『この柄、ばあちゃんが好きそう』って、スプーン買ってて」

「好みまで覚えてるんだ。すごいね」

「でしょ? 頭はヤンキーに変わっちゃったけど、根は昔のまんま。家事が原因かはわかんないけど、家族のために! って張り切ってたところもあったんだろうな」