甘い毒に溺れ堕ちて

ベッドが軋み、まばゆい金色が徐々に視界を埋め尽くしていく。

近づいてくる彼から逃げるように、固く目を瞑った。


目を合わせたらおしまい。目を合わせたらおしまい。

命令には従っても、心まで支配されてはいけない。


今の彼は、一時期に理性が暴走しているだけ。

ポツンと1人取り残された寂しさから、甘えたモードが過剰に働いているだけだ。


呑み込まれるな。切り札はあるはず──。



「ねぇ、真彩」

「っ……!」



耳元で響いた掠れ声に、思わず身震いした。

反射的に目を開き、恐る恐る顔を合わせる。



「藍、くん……?」



どこまでも堕ちていきそうな漆黒の瞳が、微かにだが、揺れている。


……おかしいな。


唇が触れてしまいそうな距離で見つめられているのに。

戸惑う私の顔がハッキリと映っているのに。


瞳の奥に──もう1人、誰かが潜んでいるような気がする。