「ハロウィンパーティーの方も何とか無事に終わって良かったよ。周辺からは騒がしいとクレームが来てしまったけれどね」

 困り笑顔で言う坂本先輩に、あたしは苦笑いするしかない。

 その騒がしさは主にあたしと奏のコンサート状態になった体育館での出来事が原因だから。

 文化祭でもないのに騒がしすぎる。何かあったんじゃないかという周辺住民の通報により、警察が来てしまうくらいに。

 稲垣さんの思惑とは違うけれど、ある意味警察沙汰になってしまった。


 でもまあ、大事にはならなかったし。

 これなら大団円ってところかな?


 そんな風に納得していると、今まで普通に話していた坂本先輩が黒い笑みを浮かべて「それよりも」と話題を変えた。

「今校内はハロウィンパーティーのときの話で持ち切りだよね? 何だっけ? まるで結婚式の様だったとか?」

「ふぇ⁉」

 突然あのときのことを持ち出され、一気に顔が赤くなる。


 あのときは気分が高揚していたから平気だったけれど、後になって指摘されるとやっぱり恥ずかしかった。

 友人三人には、そんなキスシーンあったなら見たかったのに! と文句を言われてしまったっけ。

 祝いたいからって理由だったけれど、恥ずかしいものは恥ずかしい。

「本番の結婚式には絶対呼んでね!」

 なんて言われてフリーズしてしまうくらい。