幹人くんの言葉に自分でも考えてみて、確かにそう見えるかもと思った。

 思ったと同時に、カァッと顔に熱が集中する。

 赤くなった顔を見られたくなくて、あたしは幹人くんの首にまわしている腕に力を込めて顔を隠すようにギュッとした。


 今のあたしたち、それこそ本当に結婚式の衣装を着ているみたいじゃない!


 幹人くんはマントとキバをしてなくて、あたしも天使の羽はつけていない。

 元が何の仮装なのか分からない状態だから、本当に新郎新婦にしか見えないかもしれない。

 それを思うと、心臓がうるさいくらい鳴り響いた。


「美来?」

 当然、どうしたのかというように声を掛けられる。

 でも照れてるから見ないで、なんて言うことも出来なくて……。

「美来……耳、真っ赤なんだけど?」

「っ! 指摘しないでよぉ……」

 言わなくてもバレていたことにまた恥ずかしくなる。

 潤んだ目で見上げると、変わらないと思っていた幹人くんの頬が赤く染まった。

 そして、切なそうに目を細められる。


「美来……」

 奏が歌う曲がBGMのように流れていて、丁度今は少し落ち着いた雰囲気のラブソングだった。

 図らずとも甘い雰囲気が流れる。

「悪ぃ……今、メチャクチャお前にキスしてぇ」

「っ……それって……」

 口に? なんて、聞かなくても分かった。