地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 戦いを止めてと願う言葉。
 心を落ち着かせるためのような旋律。
 そして何より、愛という想いを込めた願い。


 今のあたしが出せるすべての力を使うように、心の底から声を発した。

 奏はあたしの歌をサポートするように声を重ねる。

 ピッタリとハモッた声が、歌により深みを持たせた。


 そして、少し曲調が力強くなる部分であたしと奏は移動する。

 香と奈々がドアを開けてくれて、放送室を出た。


 歌いながら体育館を目指し足を進める。


 喧騒は、もう聞こえてこなかった。

 途中呆然と放送に聞き入る生徒や先生たちの間を通り抜けると、彼らはそのまま惹かれるようにあたしたちの後をついて来る。

 そうしてどんどん増えながら、体育館へついた。


 ステージに向かい、上がっていく。

 元々音楽を流す予定だったので、ステージ横には大きなスピーカーが置いてある。

 そこからもあたしたちの歌声は流れていた。


 ステージから見下ろすと、かなりの人数が見える。

 入り口の方からはまだ次々と生徒たちが入って来ていて、そんな彼らは聞き入るように黙ってあたしと奏の歌を聞いていた。

 そうして争いを鎮める愛の歌は、静かに終わる。