地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 あたしは二人にお礼を言って元の部屋に戻ると、ゆっくり深呼吸してさっき見た争いの光景を思い出した。


 あれを止めるんだ。

 校内各地で勃発しているケンカ。

 そのすべてを止めなくちゃならない。


 ……でも、もし止められなかったら?

 ふと、その考えが頭を過ぎって一気に不安が湧いた。

 今回は《月帝》と《星劉》だけじゃない。一般生徒も対象だ。

 しかもこのマンモス校の生徒ほぼ全員。


 思わず身震いして、幹人くんのさっきの言葉を思い出す。

 幹人くんは、迎えに来てくれる。

 彼も頑張って用事を終わらせて、あたしのそばに来てくれる。

 だから、あたしも頑張らないと。

 心に寄り添った熱を思い出して、不安な心を落ち着かせた。


「美来……大丈夫か?」

 何とか持ち直したけれど、不安そうに見えたんだろう。奏が声を掛けてくれる。

「奏……」

 奏を見ながら考える。

 気持ちは持ち直した。
 でも、やっぱりみんなの諍いを止められるっていう確実性が欲しい。

「奏も、手伝ってくれる?」

 あたしよりも歌が上手い兄に助力を願った。


 奏は、歌は上手くてもあたしのようなカリスマ性はないから抗争を止めるなんて自分は出来ないと言っていた。

 あたしにカリスマ性があるのかどうかは良く分からないけれど……。