地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

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 放送室までの道のりで、いくつか争う場面を目撃した。

「てめぇ、如月さんが嘘ついてるとでも言うのか⁉」
「ったりめぇだ! 八神さんがそんな事するわけねぇからな!」

 《月帝》と《星劉》の人たち。


「そういえば生徒会長も美来様を狙ってたわよね? もしかして本当は生徒会が隠してるんじゃないの?」
「そんなわけないでしょう⁉ いい加減なこと言わないで!」

 ファンクラブの人や生徒会の人たち。


「はぁ⁉ お前どっちの味方だよ⁉」
「あたしは《星劉》の総長がそんな馬鹿なマネするとは思わないって言っただけでしょう⁉」

 見ず知らずの一般生徒たちも……。


 初め見たときは思わず止めに入ろうとしたけれど、勇人くんに止められた。

「美来、待てよ! 一か所ずつ止めに入ってたら他の所で取り返しがつかない状態になるかもしれないんだ!」

「あんな(いさか)い、今は校内のどこでだって見る。まとめて止めるしかねぇんだよ!」

 明人くんにも説得されて、今は放送室に急ぐしかないんだと納得する。


 ……でも、やっぱりあたしがいないせいで争いになってしまっているのを見ると辛い。

 早く、早く行かなきゃ!

 気が焦るせいで放送室までの道のりが遠く感じていた。


 そうしてやっと着いた放送室では、すぐに泣きそうな顔で安堵した香と奈々に抱きつかれる。