項垂れ、諦めの色を醸し出している稲垣さんを見て、坂本先輩はあたしたちに視線を向ける。
「色々と巻き込んですまなかったね。彼のことは僕が引き取るから、君たちは放送室に急いでくれ」
「あ、はい」
「……今の校内の状況を治められるのは君だけなんだ、美来さん。巻き込んだ上に頼りきりで申し訳ないけど、頼む」
いつもの腹黒っぽさは鳴りを潜め、殊勝な態度の坂本先輩。
らしくない彼に、あたしは首を横に振って答えた。
「良いんです。あたしもみんなが争うのは見たくないから……だから、治めるのはあたし自身のためでもあるんです」
だからそんなに申し訳なさそうな顔しなくていいんですよ、と笑顔を向ける。
腹黒で妖艶な雰囲気を出してきたり、それを隠すような胡散臭い王子様スマイルを見せたり。
そんな普段の坂本先輩には困ることもあるけれど、こんな申し訳ないという落ち込んだような顔はして欲しくなかった。
「だから、行きますね」
「ああ、頼んだよ」
最後には笑みを浮かべて、坂本先輩はあたしたちを見送ってくれた。
「ほら、行くぞ!」
まだ呆然としていた双子は幹人くんに小突かれて、ハッとする。
「あ、ああ」
「分かった、とにかく急ごう」
そうしてまた、勇人くんと明人くんの誘導のもとあたしたちは放送室へと走り出した。
「色々と巻き込んですまなかったね。彼のことは僕が引き取るから、君たちは放送室に急いでくれ」
「あ、はい」
「……今の校内の状況を治められるのは君だけなんだ、美来さん。巻き込んだ上に頼りきりで申し訳ないけど、頼む」
いつもの腹黒っぽさは鳴りを潜め、殊勝な態度の坂本先輩。
らしくない彼に、あたしは首を横に振って答えた。
「良いんです。あたしもみんなが争うのは見たくないから……だから、治めるのはあたし自身のためでもあるんです」
だからそんなに申し訳なさそうな顔しなくていいんですよ、と笑顔を向ける。
腹黒で妖艶な雰囲気を出してきたり、それを隠すような胡散臭い王子様スマイルを見せたり。
そんな普段の坂本先輩には困ることもあるけれど、こんな申し訳ないという落ち込んだような顔はして欲しくなかった。
「だから、行きますね」
「ああ、頼んだよ」
最後には笑みを浮かべて、坂本先輩はあたしたちを見送ってくれた。
「ほら、行くぞ!」
まだ呆然としていた双子は幹人くんに小突かれて、ハッとする。
「あ、ああ」
「分かった、とにかく急ごう」
そうしてまた、勇人くんと明人くんの誘導のもとあたしたちは放送室へと走り出した。



