地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

「早く何とかしなきゃ」

 そう決意したあたしが、急ごうとみんなに声を掛けようとしたときだった。


「……なんで、美来さんがいるんだ?」

「っ⁉」

 覚えのある声に瞬時に振り向く。

 そこには、この騒動を起こした張本人である稲垣さんがいた。


「稲垣さん? なんでって……」
「何でそんな驚いてるんっすか? 見つかって良かったじゃないっすか」

 勇人くんと明人くんが不思議そうに返事をする。

 二人は知らないんだから、そういう反応になるのは当然か……。


「……なんで、ですか。そりゃあ助けに来てもらえたからですよ。そして、この騒動を止めるためです」

 まっすぐ、睨むように稲垣さんを見た。

「それにあたし言いましたよね? あなたの思惑通りになんてさせませんって」

「っこの!」

 途端に顔を歪ませる稲垣さん。
 倉庫で見せたような、憎しみが込められた目であたしを睨んできた。

「は? 思惑?」
「え? 美来、どういうことだ?」

 困惑する明人くんと勇人くんに、あたしは稲垣さんから視線を外さないまま説明した。

「人を使ってあたしをかどわかして、この騒動を引き起こしたのが稲垣さんってことだよ」

『なっ⁉』

 揃って驚いた声を上げた二人は、驚きすぎたのか質問してくることはなくて固まっている。