地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

「校内全てに美来の歌声を届けるなら校内放送使うのが一番だろう?」

「あ、そっか」

「ちゃんといるって示すためにも後で校内を回ってみんなに姿を見せてもらうけど、まずは放送室にって言われたんだ」

 坂本さんの指示らしいけれど、確かにそれが一番良いかも知れないとあたしも納得する。

「でも衣装とか必要?」

 着換えてる時間が惜しいんじゃないかな?

 そう思っての質問だったけれど、双子に揃って呆れられた。


「美来、今の格好で人前に出て大丈夫だと思ってんの?」

「へ?」

 明人くんの言葉に自分を見る。

「おさげ崩れかけてるし、全体的にほこりがついてる」

「……」

 そして勇人くんの指摘に黙り込んだ。


 ……うん、あの空き家かなりほこりっぽかったもんね。

 勇人くんの言う通りの状態に、確かに着替えは必須だなと思った。


 納得して北校舎の裏から校舎内に入ると、奥の方が騒がしいような気配がする。

「なんか騒がしいけど、これって……」

 しのぶが不安気に呟く。

 その肩を奏が抱いて、「ああ」と同意した。

「生徒たちが争ってる声だろうな」

 遠くに感じる喧騒はいつもとは明らかに違っている。

 ザワザワして話している感じじゃなくて、明らかに怒鳴り声と思われる音が多い。