地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

「は? いや、そうだな。行ってこい!」

 いてもたってもいられない俺は、八神さんの送り出す言葉が終わらないうちに第二音楽室を出た。

 走り出しながら、美来の双子の兄の存在を思い出す。


 そうだ、奏なら何か知ってるんじゃねぇか?

 思うと同時に電話を掛けると、2コールもしないうちに奏が出る。


『久保! お前今どこにいる?』

 すぐさま発せられた言葉に奏は何か知っているんだと思った。

 俺の方が色々聞きたかったけど、とりあえずは答えた方が早いかと判断する。

「北校舎の第二音楽室を出たところだ」

『北校舎にはいるんだな? 一階の校舎裏に続く廊下だ。すぐに来い』

 そう指示を出すと、返事も聞かず通話を切られた。

 普段なら文句を言うところだけど、緊急事態だ。

 俺はそのまま指示された場所まで走る。


 階段を駆け下り、校舎裏に続く廊下を奏の姿を探しながら進んだ。

 すると小柄な女子生徒と話す奏を見つけてすぐに駆け寄った。


「奏!」

「ん? ああ、丁度良かった」

 俺の姿を認めた奏は女子生徒に一度向き直る。

「じゃあ、教えてくれてありがとう」

「あのっ! 美来様は大丈夫ですよね?」

 礼を言った奏に女子生徒は不安気な様子で聞く。

 その言葉だけで、美来に何かあったんだろうってことは予測出来た。