でも、美来は俺を選んでくれた。

 初めて本気になった女で、俺自身どうしていいのか分からなかったけど……。

 でも、そんな俺が良いんだって受け入れてくれた。


 そんな好きすぎる彼女といたら、ヘタレちまうのも仕方ねぇと思う。

 今だって思い出しただけで顔に熱が集まってきそうだし……。

 特に最近している特訓。

 正直心臓持ちそうにねぇって思った。

 手を繋ぐだけでも緊張するってのに、抱き締めるとか。


 でも心臓壊れそうなくらいバクバクさせて抱きしめた美来は、俺の腕の中で恥ずかしがりつつも安心していて……。

 それがなんか、ちゃんと俺のこと彼氏だって思ってくれてんだなとか思えて……。

 優しく扱えば、壊れたりなんかしねぇって思えるようになった。

 だから髪触ったり、額や頬にキスするくらいは出来るようになってきたんだ。


 そんな可愛い美来を……俺は彼氏としてちゃんと大事に守ってやりてぇって思ってる。


「……あー、やば。今すぐ会いたくなってきた」

 昨日はあまり会えなかったし、今朝はちょっと話しただけだ。

 着替えればあとは自由に歩くだけだから一緒に行動していいんだと思う。

 約束したわけじゃねぇけど、さっさと着替えて美来を探そう。

 そう思い立って、俺は第二音楽室へ急いだ。