「な、んで……あんたが……」
やっとのことで絞り出した言葉に、橋場は笑って答える。
「なんで? ははっ……つれねぇなぁ。お前があの街からいなくなって随分探したんだぜ?」
「そうそう、全く苦労したぜ。奏の野郎、徹底的に転校場所秘密にしてたからなぁ」
橋場に引き続き他の二人もシーツを取りニヤニヤ笑っている。
こいつらにも見覚えがある。
黒髪のチャラそうな男と、茶髪のちょっと頼りなさそうなタイプの男。
いつも橋場にくっついている奴らだ。
「やっとのことでこの街にいることだけは分かったけど、住んでる場所までは分からなかったんだぜ?」
でも、と彼らは稲垣さんを見る。
「コイツが声掛けて来てくれてなぁ。美来に引き合わせてくれるって言ってきたんだよ」
「っ!」
三人の話に、あたしも稲垣さんを見る。
どうして? という言葉は口にせずとも伝わったみたいだ。
「そんなに驚くことか? さっきも言っただろう? 君がいなくなればいいって。彼らに連れ去ってもらうのが一番だろう?」
稲垣さんは当然のことの様に橋場達に出会えて良かった、と続ける。
「彼らは君を連れ帰りたいみたいだったからな。利害の一致さ」
あたしを隠して八神さんと如月さんを争わせたい稲垣さん。
あたしに執着していて、連れ帰りたい橋場。
確かに稲垣さんの言う通りだろう。
やっとのことで絞り出した言葉に、橋場は笑って答える。
「なんで? ははっ……つれねぇなぁ。お前があの街からいなくなって随分探したんだぜ?」
「そうそう、全く苦労したぜ。奏の野郎、徹底的に転校場所秘密にしてたからなぁ」
橋場に引き続き他の二人もシーツを取りニヤニヤ笑っている。
こいつらにも見覚えがある。
黒髪のチャラそうな男と、茶髪のちょっと頼りなさそうなタイプの男。
いつも橋場にくっついている奴らだ。
「やっとのことでこの街にいることだけは分かったけど、住んでる場所までは分からなかったんだぜ?」
でも、と彼らは稲垣さんを見る。
「コイツが声掛けて来てくれてなぁ。美来に引き合わせてくれるって言ってきたんだよ」
「っ!」
三人の話に、あたしも稲垣さんを見る。
どうして? という言葉は口にせずとも伝わったみたいだ。
「そんなに驚くことか? さっきも言っただろう? 君がいなくなればいいって。彼らに連れ去ってもらうのが一番だろう?」
稲垣さんは当然のことの様に橋場達に出会えて良かった、と続ける。
「彼らは君を連れ帰りたいみたいだったからな。利害の一致さ」
あたしを隠して八神さんと如月さんを争わせたい稲垣さん。
あたしに執着していて、連れ帰りたい橋場。
確かに稲垣さんの言う通りだろう。